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第7話 誕生

last update publish date: 2026-10-11 20:07:00

春の終わりを見送った覚えもないのに、いつしか夏が来ていた。窓の外では、蝉が短い命を惜しむように鳴いている。

七月の強い陽射しがカーテン越しに差し込み、私は大きくなったお腹をそっと撫でた。

出産予定日が近づくにつれ、お腹はますます重くなっていった。

寝返りを打つにも時間がかかり、少し歩くだけで息が上がる。

母は家事を引き受け、父も休日には買い物や重い荷物を運ぶのを手伝ってくれた。

「必要なものは揃っているか?」

父がベビーベッドの横で尋ねた。

「うん。あとは赤ちゃんが生まれてくるのを待つだけだよ」

「そうか。何か足りなかったら言いなさい」

父はベビーベッドの柵を確かめると、満足そうにうなずいた。

母と一緒に選んだ小さな肌着も、きれいに畳んである。もうすぐこの服を着た赤ちゃんを抱けるのだと思うと、不安の中でも自然と顔がほころんだ。

「もうすぐ会えるね」

私はお腹を撫でながら話しかけた。

そのとき、枕元のスマートフォンが震えた。

画面に表示された名前を見て、指が止まる。

東條怜司。

『無理に返事をしなくていい。ただ、元気でいてくれたらそれでいい』

ずいぶん前に届いたメッセージが、画面に残っ
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